📒この記事でわかること
- 13種類の具材でつくる「具だくさん生姜豚汁」の材料と作り方
- 野菜を炒めずに層を重ねて煮る、豚汁がおいしくなる6つのコツ
- 味噌・醤油・生姜で仕上げる、飽きのこない味付けの順番
子どもの頃、実は「◯◯汁」が大の苦手だった。
父が狩猟をしていたため、冬になると獲物の肉と野菜を味噌で煮込んだ汁物がよく食卓に並んだのだ。
玄関に鳥の羽が落ちていれば雉や山鳥、鴨の汁、羽がなければ猪や鹿、ときには熊の汁。
鳥はかわいそうで箸が進まず、獣肉はクセの強い匂いがどうしても駄目で、その流れで豚汁まで敬遠するようになっていた。
そんな僕が豚汁好きに転じたのは、学生時代のこと。
多摩川沿いのアパートに住んでいた頃、飲み仲間と河川敷でよくバーベキューをしていた。
夏の終わりから秋口にかけての少しひんやりした夜、定番は鉄板で焼く肉と、薪の火で炊く豚汁だった。
飲食店でバイトしていた友人がつくるその豚汁が驚くほどおいしく、生まれてはじめて「豚汁ってうまいんだ」と思えた。
今でも涼しくなってくると、体が自然とあの味を求めてくる。
この夏、横浜から帰省していた豚汁好きの甥っ子によると、関東には豚汁の専門店まであるらしい。
さっそく食べに行ったそうだが、「お店もおいしいけど、一番はババ(義母)、二番は叔父さんの豚汁」と言ってくれた。
しばらく見ないうちに、お世辞まで言えるようになったようだ。
約1か月の帰省中、義母が3回、僕が2回、あわせて5回も大鍋で豚汁を仕込み、毎回3日ほどかけて食べ切った。
滞在期間の半分近くを豚汁とともに過ごした計算になるのに、まだ食べたいと言うのだから筋金入りだ。
豚汁は毎日続いても飽きにくいうえ、地域や家庭ごとに具材も味もさまざま。
僕自身、同じ材料・同じ手順でつくっても毎回少しずつ味が変わるところに、この料理のおもしろさを感じている。
今回紹介するのは、あの河川敷で友人から教わった作り方をベースにした、わが家の「具だくさん生姜豚汁」。
甥っ子へのレシピ帳のつもりでまとめておく。
具だくさん生姜豚汁の作り方

実践レシピ
野菜を炒めずに層を重ねて煮込み、仕上げに醤油と生姜で香りを立たせる豚汁。
野菜のうまみがスープに溶け出しつつ食感はしっかり残り、豚肉もパサつかずにしっとり仕上がる。
🥬 材料(水1000ml・4〜5人分の目安)
- 大根:1/6本(約150g)
- にんじん:1/2本
- ごぼう:1/2本
- 長ねぎ:1/2本
- 白菜:2枚
- しいたけ:2枚
- しめじ:1/2パック
- 里芋:3〜4個
- こんにゃく:1/2枚
- 木綿豆腐:1/2丁
- 油揚げ:1枚
- 豚こま切れ肉:200g
- ごま油:大さじ1
- 水:1000ml(具材がかぶるくらい。途中で足す分も含む)
- 顆粒だし(出汁粉):小さじ2
- 昆布粉:小さじ1
- 味噌:大さじ4〜(味を見ながら足す)
- 醤油:小さじ2〜大さじ1(風味づけ程度)
- おろし生姜:1かけ分(お好みで増やしてOK)
- お好みで玉ねぎ・えのき・じゃがいも(今回は不使用)
僕はいつも目分量でつくっているので、具材の分量は目安として、お好みで調整してほしい。
🍳 作り方


- 具材をすべてひと口大に切る。こんにゃくは包丁を使わず、手でちぎっておく。
- 鍋に大根とにんじんを入れ、具材がかぶるくらいの水と顆粒だし、昆布粉を加えて火にかける。
- 大根とにんじんの上に、ごぼうと長ねぎ(使う場合は玉ねぎも)を重ねて煮込む。混ぜずに層を保つのがポイント。
- しいたけとしめじを加え、その上から白菜をふたのようにかぶせる。きのこが隠れるくらいまで水を足す。白菜は火が通るとかさが減って沈んでいく。
- 豆腐、油揚げ、こんにゃくを加える。
- フライパンにごま油を熱して豚こま肉を炒め、油ごと鍋に移す。
- 豚肉の上に里芋をのせ、混ぜずに弱めの火でクツクツと煮込む。
- 里芋に竹串がすっと通るくらい柔らかくなったら、全体をやさしく混ぜ合わせる。
- 味噌をお玉1杯分(水1000mlに大さじ4ほどが目安)溶き入れ、味見をしながら少しずつ足していく。
- 醤油を加えて風味をつけ、最後におろし生姜を加えたら完成。
失敗しないコツ

①:具材は10種類以上、根菜トリオと里芋は外さない
具材の種類が多いほど、それぞれのうまみが重なって味に奥行きが出る。
なかでも大根・にんじん・ごぼうの根菜トリオは、豚汁らしい甘みと香りの土台になるので必ずそろえたい。
里芋のとろみとほっくり感も、この豚汁には欠かせない要素だ。
②:野菜は炒めず、層を重ねて煮る

豚汁というと野菜を油で炒めてから煮るレシピが多いが、ここではあえて炒めない。
火の通りにくい根菜を下、葉物やきのこを上にと層を重ねて煮ることで、野菜のうまみがじっくりスープに溶け出す。
途中で混ぜると層が崩れて火の通りにムラが出るので、我慢して触らないようにしよう。
③:豚肉はごま油で炒め、油ごと加える
豚肉だけは別に炒めてから鍋に入れる。
先に表面を焼き固めることでパサつきにくくなり、ごま油の香ばしさも油ごとスープに移せる。
④:芋類は最後に一番上へ、柔らかくなるまで混ぜない
里芋やじゃがいもは煮崩れしやすいので、豚肉の上にのせて最後に加える。
柔らかくなるまで混ぜずに煮れば、形を保ったまま中まで味がしみる。
⑤:グツグツではなく、クツクツ煮る
強火で沸騰させ続けると、豆腐がすが立ったり、芋が崩れたり、肉がかたくなったりしやすい。
表面が静かに揺れるくらいの火加減で、クツクツと煮込むのが理想だ。
失敗しないコツ⑥:味付けは味噌→醤油→生姜の順、味噌は薄めから

味噌は一度に入れず、控えめに溶いてから味を見て足していく。
作り置きして温め直すと煮詰まって味が濃くなるので、最初は少し薄いかなと感じるくらいがちょうどいい。
醤油で風味を足し、最後に生姜でパンチを効かせれば、何日続けても飽きない味にまとまる。
ちょっと面倒だけど、ここを気をつけると3日目まで箸が止まらない豚汁になるよ!
楽しみ方・食べ合わせ

できたての熱々をフーフー冷ましながら、ハフハフと頬張るのがいちばんのごちそう。
翌日以降は具材に味がしっかりしみて、また違ったおいしさが楽しめる。
七味唐辛子をひと振りすると、生姜の香りと相まって体がさらに温まる。
おにぎりや白ごはんと合わせれば立派な一食になり、晩酌の締めの一杯にもぴったりだ。
よくある質問

里芋がないときは何で代用できる?
じゃがいもで代用できます。煮崩れしやすいので、里芋と同じく豚肉の上にのせて最後に加え、柔らかくなるまで混ぜずに煮てください。
豚こま肉以外の部位でもおいしくつくれる?
豚バラ肉でもおいしくつくれます。脂が多い分コクが出るので、炒めるときのごま油は少し控えめにするとバランスがよくなります。
野菜を炒めないと、コクが足りなくならない?
豚肉をごま油で炒めて油ごと加えるため、スープには十分なコクが出ます。野菜を炒めないことで素材本来のうまみが溶け出し、すっきりしながらも奥行きのある味わいになります。
まとめ
子どもの頃は苦手だった汁物が、学生時代の河川敷で友人の豚汁に出会って大好物に変わった。
その味を受け継いだのが、今回の「具だくさん生姜豚汁」だ。
野菜は炒めずに層を重ね、芋は最後、味付けは味噌・醤油・生姜の順。
どれも小さなひと手間だが、そのおかげで何日食べても飽きない一杯に仕上がる。
甥っ子よ、レシピはここに残しておいた。
いつか君がつくった豚汁を味わえる日を、楽しみに待っている。