📒この記事でわかること
- 冷凍のエビ・イカを使った、塩味ベースの八宝菜のレシピ(大盛り約7人分と、2人分の目安)
- 大人数分でも慌てずに作れる、下ごしらえと炒める順番のコツ
- 八宝菜と中華丼の違いと、翌日の八宝菜丼の楽しみ方
先日、畑仕事を手伝ったお礼にと、家族で義父の行きつけの街中華へ出かけた。
義父母と妻のお許しをいただき、僕は炒飯・餃子・五目そば、それにエビチリをつまみに昼ビール。
ところがこのエビチリ、実は義父母が頼んだランチセットの一品で、義父の箸がどうも進まない。
結局、義父は半分以上を残し、それを僕が平らげることになった。
理由を聞くと、ソースが辛くて食べられないという。
「お義父さん…だって、エビチリなんだよ。」と言いかけたが、よくよく話を聞くと、義父はこのところ持病の薬の副作用で、ひどい口内炎に悩まされていたのだ。
あんかけなら食べられると思って頼んだエビチリが、想像以上に口にしみたらしい。
では、とろみがあって辛くない、おいしいあんかけ料理は何だろう?
隣で聞いていた妻がポンと手を叩いた。
「だったら八宝菜じゃない!うちって体調が悪い時は、昔から八宝菜だったよね!」
熱が出た日も、食欲がない日も、実家の食卓には義母のやさしい味付けの八宝菜が上っていたそうだ。
こうして後日、僕が実家のキッチンで八宝菜を作ることになった。
何度か使ったことはあるが、それでもアウェーのキッチン。
しかも初めて作る料理で、量は7人分、そして失敗は許されない。
この日のために、自宅と同じ感覚で進められるよう、できるだけ少ない工程で作れるレシピと手順を組み立てて臨んだ。
八宝菜と中華丼の違い

「八宝菜って、中華丼の上の具だよね?」
そう尋ねた僕は、妻と義母にクスクス笑われてしまった。
気になって調べてみると、八宝菜はたくさんの具材を炒めてあんでまとめた、それだけで独立したおかず。
それをご飯の上にかけたものが中華丼なのだという。
知っているようで知らなかった違いが、ストンと腑に落ちた。
| 八宝菜 | 中華丼 | |
|---|---|---|
| 料理の形 | 単品のおかず(炒め物) | 単品のおかず(炒め物) |
| 発祥 | 中国(広東料理) | 日本 |
| 味付けの傾向 | 素材の味を活かした、あっさりめの塩味が多い | ご飯に合うよう、醤油やオイスターソースを利かせた濃いめが多い |
ちなみに、八宝菜の「八」は8種類という意味ではなく、「たくさんの」という意味。
宝物のような具材をたくさん使う料理なので、使う具材に厳しい決まりはない。
塩味の八宝菜の作り方

実践レシピ
肉と魚介、野菜、きのこと、それぞれの食感や味わいを活かすことを意識すると、おいしく仕上がる。
エビとイカは冷凍のものを使うので、買い物も下ごしらえも楽だ。
調理時間の目安は、下ごしらえを含めて約40分(大盛り7人分の場合の目安)。
🥬 材料(大盛り約7人分)
- 豚こま切れ肉:500g
- 冷凍むきエビ:200g(3%の塩水で解凍)
- 冷凍イカ:200g(3%の塩水で解凍)
- 白菜:1/4株(約500g)
- にんじん:1本(約200g)
- 長ねぎ:2本(約200g)
- 椎茸:6個(約100g)
- うずらの卵(水煮):12個
- おろし生姜:大さじ2(約30g)
- 米油:大さじ3(炒め用)
- ごま油:大さじ1(仕上げ用)
[下味用]
- 塩:大さじ1
- こしょう:小さじ1/2
- 酒:大さじ2
- 片栗粉:大さじ5
[調味料]
- 鶏がらスープ:水1000mlに鶏がらスープの素大さじ3を溶かしたもの
- 酒:大さじ3
- 塩:大さじ2
- こしょう:小さじ1/2
- 水溶き片栗粉:水大さじ6に片栗粉大さじ3を溶かしたもの
材料:2人分の目安(参考)
- 豚こま切れ肉:約150g
- 冷凍むきエビ:約60g
- 冷凍イカ:約60g
- 白菜:約150g(1/8株弱)
- にんじん:約60g(1/3本)
- 長ねぎ:約60g(1/2本強)
- 椎茸:2個
- うずらの卵(水煮):3〜4個
- おろし生姜:小さじ2
- 米油:大さじ1弱
- ごま油:小さじ1
[下味用]
- 塩:小さじ1弱
- こしょう:少々
- 酒:小さじ2
- 片栗粉:大さじ1と1/2
[調味料]
- 鶏がらスープ:水300mlに鶏がらスープの素小さじ2と1/2を溶かしたもの
- 酒:小さじ2と1/2
- 塩:小さじ1と1/2(味を見ながら加減する)
- こしょう:少々
- 水溶き片栗粉:水大さじ2に片栗粉小さじ2と1/2を溶かしたもの
上の7人分を、およそ3.5で割って算出した目安。
少ない量で作ると煮詰まるのが早く、味が濃くなりやすい。
調味料の塩は半量ほどから入れ、味を見ながら足していこう。
🍳 作り方

- 白菜・にんじん・長ねぎ・椎茸は、それぞれ一口大の薄切りにする。うずらの卵はザルにあけて水気を切っておく。
- 豚肉に下味用の調味料を混ぜ込んでおく。解凍したむきエビは水気を拭き取って片栗粉をまぶし、解凍したイカは水気を切っておく。
- フライパンに米油をひいて中火にかけ、豚肉→エビ→イカの順に炒める。火が通ったら、いったん取り出す。
- 同じフライパンで生姜を炒め、香りが立ったらにんじん→白菜→長ねぎ→椎茸の順に炒める。
- 全体に油が回ったら3を戻し入れ、うずらの卵、鶏がらスープ、調味料を加えて煮込む。
- 水溶き片栗粉でとろみをつけ、最後にごま油を回し入れたら完成。
失敗しないコツ
① 下ごしらえを全部終えてから火をつける
八宝菜は具材が多く、炒め始めると手を止める暇がない。
切る・下味をつける・水気を拭くといった作業を先にすべて済ませ、具材ごとにボウルに分けて、炒める順に並べておく。
これだけで、慣れないキッチンでも大人数分でも、慌てずに作れる。
② 火の通りやすさの順に炒め、魚介はいったん取り出す
肉→エビ→イカ、にんじん→白菜→長ねぎ→椎茸と、火の通りにくいものから順に炒めていく。
肉と魚介は一度取り出し、野菜を炒めたあとで戻すことで、エビやイカが固くなるのを防げる。
それぞれの食感がしっかり残るのが、おいしい八宝菜の決め手だ。
段取り8割、炒めるのは2割!準備さえ整えば、7人分でもあっという間に仕上がるよ!
楽しみ方・食べ合わせ

生姜がほんのり香る、塩味ベースの野菜たっぷりな八宝菜。
義母の味付けとはだいぶ違ったようだが、合格点はもらえた。
ただし正直なところ、八宝菜は晩酌のアテには少し向かない。
実家の義弟も「八宝菜だけでは晩酌にならない」というタイプで、呑兵衛夫婦の僕たちにもその気持ちはよくわかる。
そこでこの日は、妻の提案で焼売を、さらに義弟のために手羽先の塩焼きをもう一品用意した。
我が家の分の八宝菜は翌日のランチに持ち越し、ご飯にかけて八宝菜丼にした。
とろたま中華スープと中華風の小鉢を添えれば、ちょっとした街中華のランチセットの完成だ。
ちなみに、八宝菜と中華丼の違いを我が家の中ではっきりさせるため、塩味のものを八宝菜(丼)、オイスターソース味のものを中華うま煮(丼)と呼ぶことに決めた。
この日のおうち中華の献立
街中華から帰ったあと、八宝菜と一緒に作ったのが次の2品。
どちらも実家の家族7人分を、八宝菜と同じ日に作っている。
- 焼売(シュウマイ):義母が吊り戸棚の奥から出してくれた、年季の入った大きな蒸し器で蒸した
- 手羽先の塩焼き:義弟のアテ用に、関節から折ってコンパクトに焼き上げた
料理を実家に届け、自宅で僕たちの晩酌が始まったころ、妻のスマホが鳴った。
義母からの電話だ。
義父が「これなら口内炎が痛くない。美味しい。」と言って、八宝菜をおかわりまでしたという。
焼売と手羽先も、おかずとしても義弟のアテとしても大好評で、いつもより会話が弾む楽しい夕食になったそうだ。
その様子を思い浮かべながら、僕たち2人も笑顔で乾杯した。
よくある質問

冷凍のシーフードミックスでも作れる?
作れます。この記事では冷凍のむきエビとイカを3%の塩水で解凍していますので、シーフードミックスを使う場合も同じように解凍し、水気をしっかり拭き取ってから炒めてください。
2人分で作るときの注意点は?
2人分の分量は7人分から割り出した目安です。量が少ないとスープが早く煮詰まり、味が濃くなりやすいので、塩は少なめから入れて味を見ながら調整してください。
八宝菜を中華丼にするなら、味付けは変えたほうがいい?
塩味のままご飯にかけてもおいしく食べられます。ご飯に合わせてしっかりした味にしたい場合は、オイスターソースを加えて「中華うま煮」風にするのもおすすめです。
まとめ
口内炎に悩む義父のために作った、塩味の八宝菜。
冷凍のエビやイカを使い、下ごしらえを済ませてから炒める順番さえ守れば、7人分でも慌てずに仕上げられる。
義父がおかわりしてくれたと聞いたときは、作ってよかったと心から思った。
家族が集まる日のおうち中華に、そして翌日の八宝菜丼まで楽しめる一皿として、ぜひ作ってみてほしい。

