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📒この記事でわかること
- 厚手鍋と「乗っけ煮込み」でじゃがいもが煮崩れない理由
- 材料・分量から手順までの作り方
- 作り置きしても味と食感をキープするコツと保存の注意点
食へのこだわりは、誰にでもひとつやふたつあるものかもしれない。
僕の場合それは「煮崩れしたじゃがいも」への、少し厄介なほどの拒絶反応だ。
幼い頃の経験からじゃがいもが苦手だった時期があり、今ではじゃがいもそのものは大好物になったものの、煮物の中でドロドロに溶け出して汁の味まで変えてしまう「煮崩れ」だけはどうしても受け入れられない。
そのため自宅で作るカレーには、じゃがいもを一切入れないというルールを貫いてきた。
けれど、そのルールが通用しない料理がひとつだけある。 それが「肉じゃが」だ。
じゃがいもを抜いたカレーは成立しても、じゃがいもを抜いた肉じゃがはあり得ない。
主役であるじゃがいもは、ホクホクの状態で食べたい。
汁に溶け出してボロボロになったり、ペースト状に潰れてしまったりするのは、どうしても避けたい。
この矛盾したわがままを叶えるために試行錯誤を重ねてたどり着いたのが、今回紹介する「煮崩れしない肉じゃが」だ。
極意はふたつ。 「じゃがいも乗っけ煮込み」と、仕上げに一度だけ行う「天地返し」である。 このふたつさえ守れば、じゃがいもを煮崩れさせずに中心までホクホクに仕上げられる。
肉じゃがのレシピはすでに数多く出回っていて、わざわざレシピを見るまでもない、という方も多いかもしれない。
けれど、いつも仕上がりに満足できないという方には、ぜひこの作り方を一度試してみてほしい。
煮崩れ防止の鍵は鍋にあり|厚手鋳物鍋(ル・クルーゼ)が生むホクホク食感

「じゃがいも乗っけ煮込み」の主役は、具材ではなく実は鍋だ。
僕が愛用しているのは、重厚な厚手鋳物鍋「ル・クルーゼ」である。
ル・クルーゼは保温性と密閉性が高く、鍋全体にじんわりと熱がこもるため、蒸気でじっくりと火を通すような煮込みが得意だ。
この性質を利用すると、具材を混ぜたりゆすったりしなくても、鍋の中で自然と熱が均一に伝わっていく。
だから、じゃがいもをかき混ぜずに煮込んでも、味も熱もムラなく行き渡らせることができる。
断っておくと、僕はル・クルーゼ愛用者ではあるものの、これを押し売りするつもりはない。
ル・クルーゼのような厚手の作りで、じっくり熱を伝えムラなく仕上げられる、保温性の高い鍋であれば代用は十分に可能だ。
手持ちの鍋の中で一番厚手で重たいものを選ぶ、というくらいの基準で構わない。
ちなみに、わが家のル・クルーゼは約30年前に購入したもの。かなり使い込んでいるから、内側のホーローも年季が入ってきた。
愛着があってなかなか買い換えられないけど、次はこのマットブラックをひそかに狙っている。
煮崩れしない肉じゃがの作り方|厚手鍋で仕上げるホクホクレシピ

ル・クルーゼの持つ高い保温性と密閉性を利用し、蒸気でじっくりと火を通すことで、じゃがいもは一切煮崩れることなく、中心までホクホクに仕上がる。
そして仕上げの「天地返し」によって、崩さずに全体へと均一に味を染み渡らせることができるレシピを紹介する。
角が立ったまま日持ちする、晩酌にもご飯にも合う定番おかずのレシピ。
実践レシピ(材料・作り方)
🥬 材料(作りやすい分量)
- 豚こま肉:400g
- じゃがいも:4個(約800g)
- 人参:2本(約300g)
- 玉ねぎ:2個(約500g)
- 糸こんにゃく:1袋(約300g)
- 米油:大さじ2
- ごま油:大さじ2
- 酒:大さじ5(約75ml)
- みりん:大さじ2(約30ml)
- てんさい糖:大さじ3(約45g)
- 醤油:大さじ8(約120ml)
🍳 作り方

- 豚こま肉、じゃがいも、人参、玉ねぎ、糸こんにゃくを食べやすい大きさに切る。
- フライパンに米油大さじ1とごま油大さじ1を中火で熱し、豚こま肉の赤みがなくなるまで炒めたら、煮込み用の鍋に移す。
- 同じフライパンに残った肉の脂で玉ねぎを炒め、表面が透き通ってきたら鍋に加える。
- フライパンに米油大さじ1とごま油大さじ1を足し、人参を中火で炒める。全体に油が回ったら鍋に移す。
- 同じフライパンで糸こんにゃくを炒め、水分がある程度飛んだら鍋に加える。
- フライパンに酒とみりんを入れて中火で煮きり、てんさい糖と醤油を混ぜ合わせてから鍋に注ぐ。この時点で鍋の中は、下から調味液・豚こま肉・玉ねぎ・人参・糸こんにゃくの順になっている。
- 具材の上にじゃがいもをのせ、煮立ったら弱火にし、落し蓋をして約10分煮込む。かき混ぜずに、じゃがいもが上にのった状態をキープするのがポイント。
- 10分経ったら鍋ごと、違う鍋またはフライパンに移して天地返しを1回だけ行い、さらに10分煮込む。
- 火を止めて粗熱を取り、もう一度温め直したら完成。
🏷️ 失敗しないコツ
煮込み中はかき混ぜないこと。
じゃがいもは温度差や物理的な衝撃で角が崩れやすいため、鍋をゆすったり混ぜたりせず、そのままじっくり火を通すのが煮崩れ防止の最大のポイントになる。
天地返しも1回にとどめることで、味を全体へなじませながら形をキープできる。
水を使わず、酒・みりん・てんさい糖・醤油だけで仕上げるため、濃いめながら優しい甘さに仕上がるのが特徴だよ。
白いご飯はもちろん、日本酒やハイボールなど晩酌のお供にもよく合うんだな、これが。
3日間温め直しても煮崩れなし|実際に確かめてみた

このレシピが本当に日持ちするのか、僕自身で確かめてみた。
1日目に温め直したものは、見た目も食感もまったく変わらず、煮崩れは一切なかった。
2日目に温め直しても、じゃがいもの角はしっかりと立ったままだった。
3日目に温め直したときも同様で、合計4回の温め直しを経てもじゃがいもは崩れなかった。
厚手鍋でじっくり火を通し、天地返しを1回だけにとどめるという作り方が、日をまたいでも形をキープできる理由だと感じている。
作り置きで注意していること

作り置きは清潔な容器に入れて冷蔵保存し、わが家では3日ほどを目安に食べ切っている。
ただし保存期間は料理の種類や衛生状態、冷蔵庫の温度によって変わるため、食べる前ににおいや見た目、経過日数を確認すること。
- 料理を十分に冷ましてから冷蔵庫へ入れる
- 清潔で乾いた保存容器を使用する
- 取り分けるときは、清潔な箸やスプーンを使う
- 蓋の内側に水滴がついていたら、清潔なキッチンペーパーで拭き取る
- 残りが少なくなったら、清潔で乾いた小さな容器へ移す
- 長時間室温に置いたものは、保存容器へ戻さない
- 少しでも異変を感じた場合は食べない
よくある質問

豚こま肉を他の部位に代えても作れますか?
豚バラ薄切りや豚ロース薄切りでも代用できます。少しカロリーは高くなりますが、脂身の多い部位を使うと旨味も増します。
糸こんにゃくがない場合はどうすればいいですか?
板こんにゃくを細切りにして代用できます。軽く下茹でして臭みを取ってから使うと、味がなじみやすくなります。
天地返しは省略してもいいですか?
省略すると下側だけに味が偏りやすいです。1回だけで構わないので、全体に味を行き渡らせるために行うのがおすすめです。
まとめ
「なぜ、そこまで肉じゃがにこだわるのか」と聞かれることがあるが、答えはシンプルで、妻の大好物だからだ。
幼い頃のじゃがいも嫌いから生まれた、少し変わったこだわりも、突き詰めてみれば新しいおいしさへの扉になる。
厚手鍋での「乗っけ煮込み」と、たった1回の「天地返し」。
このふたつを守るだけで、何度温め直しても角の立ったじゃがいもをキープできる肉じゃがが完成する。
いつもの肉じゃがが物足りないと感じたら、ぜひ一度試してみてほしい。